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打撲と少陽病

一週間ぐらい前に尾骨あたりを打撲して、しゃがむ時も痛みがあるということでした。

一週間前なので随分痛みは楽になったみたいですが、未だに足を動かしても痛かったので歩くのも痛そうです。


お尻の辺りを触診してみると右側の仙骨に強い反応がありました。ということは痛みは右に響いているということだと思います。尋ねてみるとやはり中心を打撲したのですが右側に痛みがあるようです。

体幹のあたりも左に寄っているような感じで、右足をかばうような格好になっていました。

触診をすることで痛みの箇所というのもある程度特定することができます。もちろん複雑になっている場合は真逆に出ることもあるので、注意はしていますがほとんどの場合は、この診断は当たるようです。


あとはわずかな関節の動きを見ることによって、どのように打撲していたのか、そしてそれをどのようにかばっていたのかということも推測することができます。


一定の動きをし続けると、打撲は治ったとしても、痛みが残る場合がありますので、異常な腫れを均等にしてあげる必要があります。

打撲をしたということを頭の中で意識してしまうと本当の問題が見えないので、全体を通して観察してみることにしました。するとやはり少陽病の反応があるのです。


そしてそれは筋肉に出ています。 しかも対側の胸に強くでていました。


胸骨筋、大胸筋内側、胸鎖乳突筋下部、内腹斜筋、外腹斜筋、三角筋前部にでています。主に左側なので痛みのある足とは反対側になります。


さらに顔面部の筋肉にも出ていました。鼻根筋、 眉毛下制筋、眼輪筋の内側、上唇拳筋、鼻筋、小頬骨筋、大頬骨筋、咬筋という形の顔面部の左側にでていました。


細かく言えばさらに複数のものと繋がっているのですが、詳細に調べる必要はなく、だいたいこのあたりだということがわかりさえすれば効果は出ます。


もちろん熱や水の流れの異常もあるので複合した反応であることは間違いありません。

足の痛みを訴えているのにも関わらず、少陽病の反応が胸に出ていて、しかも反対側に出ているということは、局所である右足は治っている可能性が高いのではないかと思いました。


つまり打撲は治っているけれども痛みだけ残っているという状態なのだと思います。


打撲したすぐは、そこが腫れ上がるので、局所の問題が他の問題を圧倒します。一番反応が強く出るはずです。しかし、そうでないということはもうすでに治っているということだと思います。


柴胡桂枝湯と半夏瀉心湯の合法で、少陽の胸の反応はなくなりました。

柴胡桂枝湯は、小柴胡湯に桂枝と芍薬を混ぜたような方剤で主に表層の問題を排除してくれると言うことですが、こんな打撲にも少陽病の反応があったら効果が出るのだろうと思います。


あらゆる原因を考えて調整していかないと駄目なんだろうなと思いますし、様々なものが複合しているので、単純な問題ではないということをしっかり肝に銘じていなくてはなりません。

こんなの教科書には絶対に書けないですよね。


「なんで~」と言って帰って行きました。なんで~じゃなく、本当は治っているんですよということです。



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