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投手5

一般的には、痛みを起こした場所は休息させるのが原則だと思います。しかし、どれくらいの期間休息させれば良いのかというのは術者の意見によってわかれると思います。


それを決めるには、局所の問題が全身にどのくらい影響を与えているか?

全身から局所にどれくらいの影響があるのか?

相互の影響をよく考える必要があります。


例えば、局所が腫れていても、今回の例のように体幹からの影響や足からの影響が強い場合、それがなくなれば殆ど圧痛も消え、投げるのに痛みを感じません。つまり、局所の影響は、ごく僅かです。

早めにフォームを見直しながら投球させた方が症状は軽くなります。逆に局所から全身に大きな影響がある場合、慎重に練習を再開させなければなりません。

その場合も全身の調整と共に局所の調整を繰り返す必要があります。


この投手の場合、肘も体幹も左足も全ての最大公約数は右の手首の内側の問題でした。

痛みもありませんし、動きも悪い訳ではありません。しかし、局所にも全身にも全てに影響力のある場所だといえます。


右手首の内側の調整を行うと、肩関節内転がよくなり、投げる動作をしても痛みがなく軽くなったことを実感していました。明確な分析があり、その分析によって導き出される異常点を狙って刺激をすると、弱く少数の刺激で、最大の効果をあげることができます。


幸い、この選手は、初期状態だったので複数の問題を抱えることなく来院してくれましたので治りは良いと思います。ただ、投げ方の癖を治すのは自分自身でしかできません。フォームのチェックを行い、しっくりくる投げ方を練習してもらうようにしました。


スポーツはあくまでも破壊です。その破壊をいかに修復できるかが焦点です。破壊を修復できないと、そこをかばって次の破壊が起こり、さらに、次の破壊へと伝搬していきます。

殆どの場合、その問題だけで止まっていることはありませんので、それに対する対処を実行するべきです。


それができなければ治るものも治りません。




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