首の臨床
鎖骨内側は、臨床上重要という事を書きましたが、首には二つの大きな動脈があります。首の前側を通る総頸動脈と首の骨の横を通る椎骨動脈です。首の横は、圧痛のよく出るところで、強烈な肩こりの人には必ずと言っても良いぐらい起こる場所です。
椎骨動脈は図を見てもらうとわかるように、首の骨の中を通って脳へ血液を送っています。
この椎骨動脈が裂ける事を椎骨動脈解離と言い、 解離すると激しい頭痛になったり、血管が狭くなると脳梗塞を発症し、血管が破けると脳出血やくも膜下出血を起こします。とても重要な血管だということがよくわかります。
図のように椎骨動脈は、頸椎の一番上の骨の上で蛇行し、前に向かって流れます。心臓から出た血管が曲がるのと同じように首の一番上の骨のところで反転し前に曲がって脳底に行きます。なぜ、こんな面倒くさいことをしているのかはわかりませんが、ここが重要な場所であることは間違いありません。
そして、曲がるところに負担がかかるというのは同じなので弱いところといえます。
つまり、臨床上とても重要な場所と言えます。
「後から前に流れ、脳底に入っていく 解剖のテストでも良く出題されるところです」
椎骨動脈の蛇行部が触れるところは耳の下あたりですが、当然、中の問題なので直接触れることはできません。このような問題を観察する時はイメージを使って触診します。
すると首の動きが悪くなっているのもわかります。圧痛と同時に動きも悪いのがわかります。
その異常や片寄りを目標にして調整することができます。左右に回旋、側屈するだけで負担のかかっている部分が予測できます。
これが調整されると、一瞬で目があかるくなったり、頭がスッキリしたりすることが多いのですが、脳への血流が改善された為だろうと思います。器質的な問題ではなく、機能的な問題なので、機能が回復すれば良いので強い刺激は必要ありません。
強い刺激をして、椎骨動脈が避けたりしたら大変なことになります。首を急激にギュッと動かしたりしても外傷性の解離が起こったりしますので注意が必要な場所です。
鎖骨の内側の動きも臨床上大きな問題ですが、この頸椎の1番の動きもとても重要だとわかります。
椎骨動脈から脳底に入る訳ですが、脳底には生命維持に大きく関係する脳幹という場所があります。ここに栄養している血管なので臨床上とても重要です。
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