エネルギーって何? 3
エネルギーを出し入れするというイメージであるなら、それは正確さに欠けている訳です。
エネルギーは増えたり減ったりしないからです。
私たちは、エネルギーが変換された時に生じる変化を日常生活に利用して生活しているだけで、エネルギーそのものの量を操ってはいません。
ガソリンは常温でも発火しやすい状態(臨界点)にあり、それに火という着火剤を近づけることで化学変化が起こり、結果的に爆発的な火力を得ます。水を近づけても発火はしません。
一度、火がついてしまえば、次々と連鎖反応が起こって燃えつきます。一度火がついてしまえば、更に火を追加する必要はありません。ガソリンが燃えつきるまで勝手に燃焼します。しかし、ガソリンが燃えつきたところにいくら火を近づけても何も変化は起こりません。
身体の変化も全く同じです。鍼が着火剤の役割をするので、変化を起こしたいと考えた対象物が臨界点に達している必要があります。
更に、それを着火させるような質のものを近づける必要があるということになります。
臨界点に達している物質であれば、接触する又は近づいただけで連鎖反応が起こり一瞬で変化するはずです。それを考えると長時間、鍼刺激を行う必要があるのだろうか?
という疑問が起こらなければなりません。エネルギーというのなら、確実にその法則に従う必要がある訳です。しかし、一般的な鍼治療は、長時間行うのが普通です。そこに疑問を投げかけないと今後の鍼灸治療は変わっていかないのではないかと思います。
長時間の治療というのは、燃えつきたガソリンに火を近づけているのと同じようなものだからです。
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