目の動きと頭蓋骨
目は、視覚だけでなく、注意、覚醒、学習、記憶などの様々な機能に影響を与えています。
目と深く関係のある中脳は、これらの機能とも関係あります。
中脳は、脳幹の中央部に位置する脳領域で、運動の制御に関する神経核が存在しています。
中脳の赤核は、筋肉の収縮を制御する神経核の集まりです。大脳皮質からの情報を受取り脊髄へ命令を送ります。
力を入れるということにも関係しています。もちろん、弛緩にも影響します。
ただ、筋肉の収縮や弛緩は中脳だけで行っているわけではありません。
大脳皮質や小脳からの情報を受け取り、運動を調整し、それを脳幹網様体脊髄路に送ってバランスをとったりします。
転倒しそうになった場合も、中脳の網様体は、脳幹網様体脊髄路に影響し、バランスを回復するように調整されます。
目からの情報は、気づかないだけで、意識的、無意識的にバランスをとっているということです。
そして歩行をスムーズに行わせたりしているということです。
つまり目と記憶や学習、運動機能は、無関係ではないということです。
中脳の黒質や赤核に問題が生じるとパーキンソン病にもなったりしますので、とても大切な働きがあるということです。
これは単なる科学的な説明ですが、それならば臨床的にはどうか?
と考える必要があります。
目の高さで考えると、蝶形骨や篩骨、前頭骨などが脳幹の前にあります。
ということはこれらの骨への刺激は、骨格筋の動きにも影響を与えることが考えられます。
膝が悪く歩行時の痛みがあるという方も、蝶形骨の中央、篩骨、前頭骨を調整すると足の動きが良くなったりすることがあるのは、このような関連要素があるからだろうと思います。
また後頭骨は、脳幹が通るところでもあるので、後頭骨の問題は、必然的に脳幹の機能に直接影響を与えたりします。
中脳も脳幹の一部なので、これらの骨とも密接に関係があると思います。
膝の痛みや腰の痛みと言っても、中枢の神経系からも来ていることが普通にわかります。
それなのに何故、足は足の筋肉や関節だけしか考えないのか不思議でたまりません。
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