立って歩くことは生命線
立って歩くことは人間にとって生命線です。それができないと捕食ができないから立って歩くことは、生死に関わる問題なので身体を歪めてでも無理やり立って移動しようとします。これは脳の無意識の記憶なのだと思います。実は、この記憶が身体の固定化につながっていき、各部位を破壊していくという皮肉な結果が起こるのです。それほど、立って歩くというのは、重要であり、バランス的に、とても難しい行為なのだと思います。それを制御しているのが無意識に働いている脳幹網様体脊髄路を中心とした脳神経の作用です。だから、環椎後頭関節を調整することで全身が調整されるという主張が存在しているのだと思います。
X脚とO脚
足の位置を変えてしまう立ち方にX脚やO脚がありますが、X脚もO脚も、身体の中心軸から考えると足が外にあることに気づきます。女性に多い内股は一見すると内側にあるように見えますが、足の実際の位置は踵の位置が中心軸より外側にあります。特に異常側は顕著で、膝関節は内旋外転しています。O脚も見てわかるように中心軸から足が離れますが、足の位置を近づけて立たせてみると膝関節は内旋外転していることがわかります。つまり構造的には同じ原理だと言えます。
X脚もO脚も同じ位置関係であり、必ず仙骨は後傾しています。そうでないとX脚やO脚にはならないのです。つまり膝だけの問題ではないということがわかります。様々な要因の相互作用なのです。
見た目だけの視点と全体を通した視点では、その結果に違いがあるということです。
この図の場合は左CM関節の屈曲内転位の固定化による左足のX脚ということになります。このように全体を通して関節の連動性を確認していくと部分的に現れている症状は、そこの問題ではなく、他の影響の相互作用であることがわかります。
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