風邪は皮膚から
乾布摩擦というのが昔ありましたが、実際に乾布摩擦をしてから風邪をひきにくくなったということはよく言われました。
今は、そんなこと言う人は少ないのかもわかりませんが、皮膚は風邪の入り口だといえます。
背中の上の方に風門と言う穴があります。
穴の名前ってホントに面白いし、このあたりから首にかけては風邪が皮膚に滞積しやすい場所だともいえます。
そうすると皮膚が硬くなる。
当然、皮膚をつまみあげると固まっている感じになります。
風門だけではなく、首から頭皮(後頭部)まで皮膚が緊張している人がいます。
それでは風邪をひいてもおかしくありません。
風邪をひくことによって体調が崩れ、痛みになってあらわれることもあります。
風邪は万病の元と言われるように、それがきっかけで慢性的な症状がでてしまう場合もあります。
慢性的に症状はあっても調子の良い時と悪い時があるのは、ベースに風邪があるかどうかで変化することもあります。
関節が痛いから関節の問題だとか筋肉の問題、筋力の問題と考えるのは、何もわかっていない人のセリフです。
そんなことだけで症状が出る訳ではありません。
もっともっと、違う要因があります。
関節をベースに考えている人は、こういう落とし穴がある。
皮膚から痛みが来ているなんて思いもしません。
そういう許容範囲がないからです。
当然ですが、治療家の初心者には、そういう人が殆どです。
少しずつ、レベルがあがってくると、そういうことも伝えなければなりません。
迷いは、自分自身が作った架空の世界からやってきます。
いわゆる経験や知識、常識という架空の世界からやってきます。
これらは過去の異物です。
問題なのは「今」、その人なんです。
考え方にベースがありすぎると、必ず手詰まりになってしまいます。
私も何度も何度もこれを経験し失敗しています。
しかし、殆どの人は、ベースだけを大事に考えて変化しようとはしません。
そこが大きな問題点です。
この重要性を最初からわかる人はいません。
わからないことを悩む勇気を捨てる人が殆どです。
これを解決する為には、わからないことを保留する能力が必要なのだと思います。
その為にも、ある程度の忍耐が必要です。
学生の状態では、そのことに気づく必要もないのかもわかりませんが、プロには気づいてほしいと思います。
しかし、学校教育はわからないことを放置させない。
わからないことはわからないこととして混乱させたままにせず、わかったようなことを伝えます。
しかし、学校教育ならそれで構わないのだと思います。
なぜなら区切られた年数があるからです。
混乱させない教え方で良いのだと思います。
しかし、現実の臨床になり、人間の身体と対してみると、そんなに単純ではありません。
わからないことで出来上がっているようなものだと実感します。
それを一つの側面だけから見て、わかったふりをしているのは真実を隠してごまかしているだけです。
大事なことはわからないことをわからないこととして伝えることです。
わかっているふりをして教えるのではなく、わからないままわからない状態で伝える。
そして、その人が自分の力で考えてこそわかる人になるのだと思います。
それが本当の意味で伝わるということなのではないかと思います。
伝えたいのはなにか?
その違いによって伝え方が大きく違ってきます。
それを考えてもらうのが伝えるということなのではないかと最近強く思います。
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